2013/08/31

『二都物語』8/23-25マチネ-2 浦井くんへの詫び状(つづき)

■じわじわ
全体として、じわじわーっと良さが染み渡る作品でした。そして、浦井くんの演技についても、同様にじわじわーっと染みこんできた。

初見のときの、うわべしか見れなかった私を許して!

・ルーシーへの求婚が遅かった。
可愛い浦井くんダーニーに気を取られてたけど、「労働」して独り立ちしなければという決意やら、貴族であったことを詳細にきちんと話していないこと(忌み嫌われている家名)、それを打ち明ける決心がつくまでの時間、などなどの葛藤があっての時間でした。

それは初見のときも伝わったものの、ドクター・マネットとのやり取りにおいては、「立ち去らねば!」とバルジャンなセリフに翻弄されてしまったんだった。狙ってるとしか思えませんけど?

フランス人というのは、娘が結婚するときは「立ち去らねば」と皆、思うものなのか? 気になる。近くにフランス人がいないので聞けないのが悔しいほどだ。まぁでも、実家を出るものか・・・日本でもそうか。

チャールズが父娘の生活を壊す気はない、分かち合いたい、というのも、これは普通なら父親は居るべきじゃないけど、敢えて一緒に暮らしましょうと提案してくれているという話なんですよね。
一家に二人の父はいらないってことかしら。どうなの。

それで、詫びる点としては。
2回目3回目と、このときの父・息子のやりとりにおける浦井チャールズは、しっかり一家を支えていける能力(財力)と精神を持っているのだなぁと理解できたこと。

子供が産まれ、そこへシドニーが加わっての流れのなかで、浦井チャールズってあまり前に出てきませんね。それを不満に感じてみたんです。父性が足りないのではないか、ああ、シドニーがパパみたい!って。

このシーン、全体を俯瞰で見直したときに、どれだけシドニーの心の核に刻まれている日々だったのかと涙なくしては思い出せない。
と同時に、シドニーが一家に溶け込めるよう(ほとんどルーシーがまとめていたのだと思うけれど、そのルーシーを見守っていたのはチャールズだものね)配慮していたのだろう、とやっと私にも分かったの。

ぱっと見が奥ゆかしいからって、ひどいこと思ってたわ。
恥ずかしい。
浦井くん許して!

そう思うと、チャールズとるルーシーが二人してシドニーのヤサグレた心を暖めてくれてたことに、深い尊敬の念を抱かずにはいられず。そんな深い愛情を押し付けがましくなく爽やかに保ってきた二人の幸せを願うシドニーの葛藤が、また深く胸に届くのね。

貴族的でないふるまいだった、と前回書いていた浦井チャールズですが、牢屋で椅子に座るときの仕草と、ペンを持つ手が美しかったことは、きちんと書いておこうとおもいます。

諦観の境地のような静かな彼がロングコートの裾をこれまた静かに払って(上品!)、きれいにペンと紙を扱っていました。
ブログ(StarSオフィシャルブログ)でテンション高い文章を書いてる人と同じに見えないよ。

熱い演技も胸に迫る浦井くんですが、静かな演技も素敵でした。きっと妻や子供のことをすごく心配してるんだろうに、秘めたまま刑執行を受け止めてるよう。




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