2013/09/23

『next to normal』9/21昼-1 音楽もセット(演出)もパーフェクト

@シアタークリエ

登場人物は16年前から精神を病む女性・ダイアナ。その夫・ダン。思春期の娘・ナタリー。そして彼女にしか見えない(3歳で死んだ後も成長し続けている)息子・ゲイブ18歳。

精神科医・マッデン。ナタリーの恋人・ヘンリー。

シルビア・グラブ、岸祐二、小西遼生、村川絵梨、松下洸平、新納慎也

2009年トニー賞、2010年ピューリツァ賞

トニー賞の中継みてるときから、日本で上演は難しそう、しかし英語は分からないしと思っていた作品で、待ってましたーーーっと観て来ました。

メロディも不安定さやロック風だったりと難しそうなうえに、そもそもテーマが心の病。どう上演するのかー

まずは日本に引き寄せるのではなく、舞台セット、演出含め全米ツアー版をもってきているので、翻訳劇として上演となったようです。

演出は非常に素敵、クーーール! ですね。背景にうつるライトの色の変化で人物たちの心が表現され、3階建ての鉄骨セットは、つながりをつくったり、断絶の境界になったり。真っ赤から、紫、青と変化します。
椅子がいい役割をしてたのもの目を引きました。

音楽に合わせて、動きに合わせて、ガツン!と色を変えるシーンなど、爽快なくらい。ドクター・マッデンがロック・スターのようだという印象のせいで、ロック風に診察してるとこなど、カッコエエーーーですわ。

シルビアママの衣装が、病気が治まっていくという視点とは反対に、どんどん地味な色味になっているところなど、残酷で痛々しいものがあります。
セックスするから!と娘に宣言して寝室に向うときは、病状としては深刻でもママは元気なのできれい色のドレス、でも電気ショック治療のあとはモノクロの衣装へ。

音楽、意外と耳に残る。
初見だったこともあるだろうけど、歌詞がきちんきちんと聞き取れなかったことが残念でした(私、ちょっと聞こえが悪いのです。なので、ふつうは(笑)ノーマルなら聞き取れるのかもですが) こんな時だけ、某四季のくっきりはっきりセリフが恋しくなるワガママさ。←ふだんはイヤだと散々言ってるのにねー。

病気に悩まされることがどういうことかを訴える You don't Know
夫が必死に訴えかけてる I am the one
ゲイブが歌う、I'm alive
ナタリーとヘンリーのHey

いや、どの曲も素晴らしかった。B'way original cast盤を聴いてみると、当然ながら歌詞とメロディのバランスが申し分なくて、羨ましい。
上演中ですが、再演してほしいし、その際は日本語歌詞もさらに手直しして、言葉(意味)情報も漏れにくいようにしていただきたい!

ロックテイストなメイン曲に加え、ターンターンターン、単調なリズムで表現したり、クラシックやジャズも加わり、多様なメロディが使われているけれど、ピアノ、ベース、ドラム、ヴァイオリンとチェロ。基本弦楽器で奏でられるため、調和が取れています。

少ない楽器、少ない出演者で構成されていて、それがむしろ贅沢。




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