2015/02/11

『ボンベイ・ドリームス』 1 和風だしが隠し味、インド風カレー

2/7昼、2/8昼(東京千秋楽)@東京国際フォーラムC

アカーシュ/浦井健治 プリヤ/すみれ ヴィクラム/加藤和樹
スウィーティ/川久保拓司 ラニ/朝海ひかる 
シャンティ/久野綾希子 JK、Mr.リーディ/阿部裕
ひのあらた、小松拓也、五大輝一
高谷あゆみ、原田薫、高田亜矢子、碓井菜央、唐澤裕香、中川和泉
【梅棒】伊藤今人、梅澤裕介、鶴野輝一、塩野拓矢、櫻井竜彦、楢木和也

何でか、浦井くんは脇役だと思ってたんですよね。何で? 宣伝してたころ、バタバタしてたからだろうか。そうだな。

そうなのです、主役でした。スラム街で映画のヒーロー役のフリをして、きらびやかな世界に憧れている青年が、映画スターとなり、恋をして世界を見つめなおして。
宣伝をさらっと見てるだけだと、マサラ・ミュージカルという名前が印象的なので、ムトゥみたいな明るく楽しい作品なのだろうと。これまた違ってたわ。

確かに楽しくゴージャスな場面もたくさんあるのだけれど、なぜ<明るく><ゴージャス>なものを作っているのか?というのが、さらに表現されてます。

スラムに生きて数日分の稼ぎで映画のチケット買って、わざわざ深刻な映画なんか見たくない、ということなのねー。娯楽としてはそうだけれど、プリヤが目指すように、スラムの問題を見ないフリもいけないだろう、と。最初はスラムのことを遠く追いやったアカーシュが、再び戻って、しかし次の一歩を踏み出すラストは、思った以上に心に残るものでした。
押し付けがましくないし、基本的には楽しませてくれるので、インド社会の問題提起については、本当にいいさじ加減だった。

さて、とにかくラフマーンの音楽が素晴らしい。西洋の音階とインド音楽は違うということですが、不思議な音楽。けれど、どこかアジアの端っこに住む私の心にも響くものがあって。インド風味の入れ方が絶妙なのがうまい。

加藤さんが2幕冒頭で歌うチャイヤチャイヤ♪(Chaiyya Chaiyya)など、沖縄民謡みたいにも聞こえます。これ、すごく有名な曲だったんですねー。耳に残って離れない。

作品中では、加藤さん演じるヴィクラムがプリヤとプリヤの世界への憧れをせつなく歌い上げるといったおもむき(歌詞がきちんと分からなかったのが残念でなぁ どこまでがヒンディー語で、どこからが日本語なのかが、初めてのケースなので英語みたいにすぐ聞き分けられなくて・・・ プログラムに歌詞を載せて欲しかった
強い日差しから身を守る影が人生には必要だ・・・という出だしなのは分かったけど。

日本語だと「影よ」で、なるほどインドくらい日差しが強い国では、影という言葉はむしろ癒しとか安心というイメージだったのか。そういうのも、新鮮。心地よい風が吹いてくる、とか。花のこともいってたわねー(聞き取れてない)そしてその影はあなた♪→プリヤであると。
明確には聞き取れなかったけど、ヴィクラムはそれを強く求めているのだなーというのは、痛々しいくらいに伝わってきました。一音、出ないキーがあったようだが、それすら叶わぬものを追っている感がした。

ベスの詩人さんでも、私は加藤ロビン派でしたけど。加藤くんいいよねー、などと余裕かましてたのだが、ヴィクラム加藤くんで危ない、堕ちそうだ。あぶなーい! たーすーけーてー! 加藤さんは私の顔の好みの王道でなぁ アハハー。 アゴがきりりとしてて、目が涼しげで。祐一郎は真ん中どんぴしゃ。
(※ねー、だからどうして浦井くんにハマったのか不思議です。顔だけだと全然違うタイプなので。浦井くんは顔じゃなくて、声と真摯な取り組みだなー)

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