2015/05/16

『デスノート』1 遠かったです。埋められなかったなぁ

デスノート。

浦井健治/夜神月

ジキハイを初めてみたときのような感触ではなかった。あれは出来が良すぎるんだなー!(大好きな作品)

全体的にスピーディで、全く予備知識がないと辛いかもしれません。私はコミック未読、映画中途半端に見たことありでした。

出演者が豪華すぎて、このメンバーなら、うっかり脚本やら音楽が残念でも力技で魅せてくれるでしょう。とはいえ台本、音楽の出来は悪くない。わりと良いほうだと思います。
良いほうだと思ったけれど、自分と合うかという点では、残念ながら距離が縮められないままの3時間。1回きりの観劇だったこともあるけれど、遠かったわーん

ジキハイだって、普段は善人なのに薬で違う人格に変わっていく哀しい物語なのに、どうして遠かったんだろう。

理由を考えてみたんですが、デスノートに書くと人が死ぬ。死神がいる。拾った子の人生が狂う。という展開に、どうにも楽しさを感じられなかったせいじゃないかと。
作品が描かれた頃、ちょうど私は東京に住んでました。20代の終わりころで、この頃の高校生が何に囲まれていたのか、ちょっと想像しにくいけど、就職難で経済下火でどんどん未来が見えなくなってきた頃? アメリカのテロとの戦いもあったかな。

浦井くんの演技や、演出意図もきちんとしていて、作品は理解できるが、作品そのものに心揺さ振られることがなかったのでした。年かしら・・・相性なのか。

一番良かったのは、吉田鋼太郎リューク。客席を笑わせつつ、物語を進行させ、ラストの独白は心底怖かった。あれはすごい。今日のチケ代は鋼太郎のラストシーンのためだったかと思った。
人間とは違う価値観で存在していることが、セリフひとつでズバーンと胸に飛び込んで来たよね。震えました。

それから濱田めぐみ様レム。そこだけ「デスノート」じゃなくって、黄泉の帝王降臨状態でした。めぐ様がトート閣下になったら帝劇通います! 美しくて哀しかったわぁ
何でそんなに弥海砂ミサミサのことが気になるのか、理由はあるの? とにかくめぐ様を登場させたかっただけじゃ?と思うが、それでもいいっす。めぐ様ステキだから。

物語の進行からちょっと浮いてるんだよね。ミサに目を与える役ではあるけれど、母性のまなざして歌い上げることが、物語には必要かというと、微妙。死神がなんでこの歌だろうって、不思議でした。それがレムらしさってことでしょうけれど、ミサへの情の理由が見えれば納得できたかなと思います。

探偵・Lの小池徹平くん、初めて拝見。雰囲気よかった。猫背のまま歌って、猫背のまますごいテニスしてた。きっと体がみしみし痛むであろう。よくやった!

声のボリュームを下げたり、ささやき声にすると、とたんに勢いがなくなる歌だけが、残念だった。訓練で良くなると思うんだよなぁ 
しっかり声を張っているときは、とてもいい声だなと思うので、この先も舞台で歌う気があるなら、ここ修正したら、もっと良くなるのに。小声風に歌っていても、何を言っているのか伝わるように歌ってくださいね
(こういうときは、劇団四季出身者の発音の良さが煌いて見えます。普段はうっとおしいと思うのにね・・・・勝手だ)

テニスシーンの件とか浦井くんの話はまたあとで。

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